ココロノカケラ

かずよさんのはなし。

かずよさんのダーリンは陶芸家だ。
私はせんせいの作品のファンで、いつも「これいーなー…」「欲しいなー…」「素敵！」と思っているのだ。
かずよさんの長女であるマキコちゃんは大学4年生。
ちょこちょこ絵を描いておられるのを観ていて、マキコちゃんもやっぱり芸術家の娘さんだなぁと感心することしきり。
実に素敵な感性をお持ちなのだ。
でも大学は全く畑の違うところへ通っていたので、絵を描くことは趣味として楽しんでいるという感じだった。
でも、そんなマキコちゃんが
「やっぱり一生絵を描くことにした」とかずよさんとダーリンに報告したというのだ。
かずよさんはとても嬉しかったという。
マキコちゃんは「だから就職はしない」とも言ったとか。
かずよさんは慌てて「仕事せな絵は描かれへんで！」と説得。
そして
「ぼちぼちなとこに就職しなはれ」
と申し渡したらしい。

なぜならマキコちゃんはかなり几帳面だしプライドが高いから、「ええとこ」に就職なんかしたもんなら一生懸命仕事をしてしまい、絵を描く時間が取れないだろうから、というのだ。

「ぼちぼち、そこそこ」なところに就職して、定時に退社し、適当に遊んで就寝、夜中の2時くらいに起きて製作活動をする生活を続けるのが良いというのだ。

マキコちゃんはそれを聴いて「ぼちぼち、そこそこって!!!そんないい加減な就職先、嫌やわ！」とぶつぶついっていたらしい。

かずよさん、あっぱれ。

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