April 22, 2007

突然のさようなら。

母が飼っている猫が死んだ。
今朝のことだ。
それも唐突に。

母は一昨年にも猫を亡くした。
悲しみにくれていた母を救ってくれた猫だった。
友人の家に居候していたその猫を貰い受けることに決めたとき
母親にまた幸せを運んでくれますように、という思いをこめて
「ふく」と名づけた。

ふくはとてもいい猫だ。
おとなしく、それでいて甘え上手。
最初は母にしかなつかない、という最上のやりかたで我が家の一員となってくれた。
朝から晩まで母親のそばを離れない。
母が仕事から帰ると抱いてほしがり、母は乳飲み子を抱えるようしてオサンドンしていた。
真剣に、今流行の抱っこ布を買おうかと考えていたほどだ。

黒と白のはっきりした姿。
あごのところが丸く黒くて、課長サンみたいだった。
1歳未満で妊娠出産、立派に子どもを育てたお母さんだった。

死因ははっきりしないけれど、たぶん事故によるな内臓の損傷。
外傷はなかった。
右足を引きずっていたので受診し、脱臼との診断で痛み止めの注射をして帰宅した1時間後だった。
受診させた父親は、痛み止めが効いている様子なのでホットして目を離したらしく、その間に息を引きとったのだった。
手術して完治させてやらなきゃね、と私にメールをしてきたすぐ後だった。

ちょうど仕事が終わって、帰ろうとして、darlingにメールしようと携帯を手にしたら、仕事中の母からメールが届いていた。
「ふくはほかにも怪我をしていたのか、死んでしまった」
何のことかわからなくて3回読み返した。
今家にいるはずの父親に電話しようと思うが、手が震えて何回も失敗した。
まさか、死ぬなんて思ってもなかったから。
まだ2才半。
あんなにいい子が、どうして死ななきゃならないの?
電話がやっとつながった。
父も泣いていた。
「どないしてやったらええねんやろ」となきながらいう。
今どうしてるん、と聞くと、まだ亡骸を抱いているという。
ふくはみんなに愛されていた。

たまたま、ふくを譲り受けた友人が居た。
先ほど、仕事を終えて帰り間際に、ふくが脱臼したらしいわ、と報告したところ。
私は報告せねばと近寄ったが、彼女の顔をみたら先に嗚咽が漏れてしまって何もいえなくなった。
「ふくが、死んだ?」

友人が言った。

「うん」と答えたけど。
その後は何もいえなくなった。
いてもたってもいられなくなり、実家に向かった。


ふくは痛み止めを注射してもらっていたことが幸いして、あまり苦しまずにすんだようだ。
眠るような顔をしていた。
箱に眠らせて、花を入れた。
友人が夫婦そろってお別れを言いに来てくれた。
みんなで、この子はいい子だったね、そしてみんなに愛されて幸せだったね、と話した。

ふく、短い間だったけどうちの子でいてくれてありがとう。
お母さんの秘蔵っ子になってくれてありがとう。






Posted by honeyrose at 18:31:30 | from category: Main | DISALLOWED (TrackBack) TrackBacks
Comments

忍者君:

うちでもその経験があります。
トラという柴犬を次男がある日突然連れて帰ってきた。元来動物は私の子供頃の記憶にある三毛猫だけでした。犬を飼う経験は初めてだけど一生懸命世話してかわいがっていた。もちろん一番なついていたのは家内です。鎖を放せば自分で勝手に散歩に行きちゃんと自分の住処に帰ってくる。そんな賢い犬だったけれど、ある日朝早く鳴くものだから「うるさい!勝手に散歩してこい」と放したら、そのままどこかに行ってしまった。
一生懸命探したけれど、よほど家内に叱られたのがショックだったのか・・・・・
今では2代目トラの鎖を家内が放すことはない。
(April 22, 2007 23:15:56)

honeyrose:

忍者君。
母が帰ってきてから、皆でおとむらいをしました。
母は今朝もふくにお別れを言っています。
猫も家族と一緒。
悲しみはしばらく続くでしょうが、それでいいのだと思います。
母は父親に「しばらく新しい猫はいらんから」と言っていましたが、どうなることやら。
(April 23, 2007 07:01:53)
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